Investing.com–水曜日のアジア取引で原油価格は小幅に下落し、世界的な需要に対する疑念が残る中、特に米国の在庫が予想外に増加したとのデータを受けて、前場からの急落幅を拡大した。
また、ロシアと中東の地政学的混乱に起因する供給障害への懸念から、ここ数セッションで原油が大きく上昇した後、若干の軽い利益確定売りが出たことも重しとなった。
ブレント原油先物(8月限)は0.1%下落の1バレル84.90ドル、ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油先物は0.1%下落の1バレル80.78ドルだった。
イスラエルによるガザ攻撃やウクライナによるロシア製油所への攻撃など、地政学的緊張が続く中、トレーダーは原油価格にリスクプレミアムを織り込んでいた。
米国の石油在庫は予想外に増加-API
米国石油協会(API)が発表したデータによると、6月21日までの1週間の米国の石油在庫は、3百万バレルの減少予想に対し、約0.9百万バレル増加した。
この数値は、前週に2.3mb増加した後のもので、旅行者の多い夏のシーズンが始まったにもかかわらず、米国の燃料需要が依然低迷しているとの懸念につながった。
APIデータは通常、水曜日遅くに予定されている公式在庫データからも同様の数値が出ることを予告している。
過去2週間、原油価格は大幅な上昇を記録したものの、全体的な上昇は依然として米金利の高止まりに対する懸念によって抑制され、トレーダーはドルを選好した。
最近の米経済の底堅さの兆候が、連邦準備制度理事会(FRB)が金利を高止まりさせる余地を拡大するとの懸念を押し上げたため、グリーンバックは2ヶ月ぶりの高値付近で推移した。
この指標はFRBが好んで使用するインフレ指標であり、中央銀行の金利見通しを左右する可能性が高い。
今週はFRB高官も相次いでタカ派的な警告を発した。 トレーダーは、今後数カ月間の経済活動の冷え込みを懸念しているためだ。