Investing.com–水曜日のアジア取引で原油価格は上昇し、2カ月ぶりの高値付近を維持した。業界のデータによると、米国の在庫は先週大幅に減少し、需要に対する楽観的な見方を後押しした。
火曜日には若干の利益確定売りに押され、またハリケーン「ベリル」による供給途絶の懸念がほぼ薄れたため、価格は小幅に下落した。
ブレント原油先物9月限は0.2%上昇し1バレル86.41ドル、ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油先物は0.2%上昇し、東部時間20:35(日本時間00:35)までに1バレル82.07ドルとなった。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がインフレについて前向きな発言をしたことを受け、ドル安が進んだことも原油価格を押し下げた。
米国石油協会(API)
米国石油協会(API)が発表したデータによると、6月28日までの1週間の米国在庫は約920万バレル減少し、予想の0.15百万バレルを大幅に上回った。
この数値は、通常、水曜日以降に発表される公式在庫統計でも同様の数値が発表されることを予告するものだが、この数値は、旅行の多い夏のシーズンが回復するにつれて、米国の需要増加に対する楽観的な見方を強めた。
アメリカ自動車協会は、木曜日の独立記念日休暇を考慮し、今週は記録的な道路交通量になると予測している。
世界最大の燃料消費国である米国が、高金利と粘り強いインフレの中で経済成長の冷え込みに苦しんでいるにもかかわらず、米国の燃料需要が大幅に回復するとの期待が、最近の原油上昇の主な原動力となっている。
ハリケーンによる供給不安は和らぐが、地政学的リスクは根強い
トレーダーは、ハリケーン「ベリル」によるメキシコや東海岸周辺のオフショア石油生産への支障を懸念している。
現在カリブ海で危険なカテゴリー4であるハリケーンは、週の後半にメキシコ湾に入る頃には熱帯低気圧に弱まると予想されている。
ハリケーンに関する当初の予報ではカテゴリー5とされていたため、メキシコ湾の物資供給に支障をきたすのではないかという懸念が巻き起こった。
天候だけでなく、中東での供給途絶に対する懸念も引き続き存在した。 イスラエルとヒズボラの緊張は、特にイスラエルがガザで攻勢を続けるなか、緩和の兆しはほとんど見られなかった。